人と被らない婚約指輪。「婚約指輪らしさ」ではなく、ふたりらしさで選ぶ
婚約指輪について、何が好きなのか、どこから選べばよいのか、まだ分からなくても大丈夫です。イリーヴァ・ジュエリーのデザインや雰囲気を気に入ってくださるなら、そこから一緒に考えましょう。一生身に着け、いつか子どもや孫など、大切な人へ託していくかもしれない指輪を、石だけでなく、デザイン、地金で表現した線やかたち、その表面の質感、指に着けたときの姿まで、一つの作品として見つけていきます。
まだ分からなくても、大丈夫です
婚約指輪について、最初から詳しい方はほとんどいません。何を見ればよいのか、何を質問すればよいのか、自分が何を好きなのかさえ、まだ言葉にできない。お店に相談することを、少し怖いと感じる方もいらっしゃいます。
イリーヴァ・ジュエリーに相談していただくために、完成したイメージや、宝石についての知識は必要ありません。出発点になるのは、イリーヴァ・ジュエリーのデザインや雰囲気を好きだと感じてくださることです。
もし、私たちのつくるものを気に入ってくださるなら、そこから一緒に考えましょう。
何十年も身に着け、いつか子どもや孫など、大切な人へ託していくかもしれない指輪です。私たちは作り手として、好きなものを見つけるところから、素材、着け心地、日々の扱い方まで、一つずつお話しします。分からないことは、どんなことでも尋ねてください。
婚約指輪を探し始めると、無色透明のダイヤモンドが一石留められた、よく知られた形の指輪を目にすることが多いかもしれません。
もちろん、それも婚約指輪の美しいあり方のひとつです。でも、いくつ見ても自分にはしっくりこない。大切な意味を持つ指輪だからこそ、もう少し自分たちらしいものを選びたい。そんな気持ちから、「人と被らない婚約指輪」を探している方もいるのではないでしょうか。
人と違うことだけを目的にすると、珍しさや目立つことが基準になってしまいます。けれど、自分が心を動かされる光り方や色、形、質感をたどっていくと、結果としてほかの誰かとは違う一本に出会うことがあります。
違うものを選ぶのではなく、自分たちにとって意味のあるものを選ぶ。
イリーヴァ・ジュエリーが考える「人と被らない婚約指輪」は、そこから始まります。
「婚約指輪らしさ」は、ひとつではありません
婚約指輪の意味は、決まった形にあるのでしょうか。
ダイヤモンドは、無色透明のラウンドブリリアントカットだけではありません。形の異なるファンシーカット、広い面が光をやさしく返すローズカット、色や内包物を表情として持つナチュラルダイヤ、長い年月を受け継いできたアンティークダイヤ。透明なものも、不透明なものもあり、同じ「ダイヤモンド」という言葉の中に、驚くほど異なる光があります。
イリーヴァ・ジュエリーが扱う多様なダイヤモンドについて詳しく見る
カラーストーンの婚約指輪にも、青だけではない多彩なサファイアがあります。淡い色、深い色、いくつかの色が混ざり合うもの。澄んだ透明感を持つものもあれば、内包物がその石だけの景色をつくっているものもあります。
そして、指輪の表情をつくるのは石だけではありません。
石をどのように支えるのか。地金でどんな線やかたちを表現し、その表面をどのような質感に仕上げるのか。石とデザインが一つになり、指に着けたときにどのような姿になるのか。そのすべてが重なって、一つの婚約指輪になります。
もしかすると、嫌いなのは「ダイヤ」ではなく、その光り方かもしれません
イリーヴァ・ジュエリーには、「ダイヤはあまり好きではない」と話してくださるお客様がいらっしゃいます。
けれど、さまざまなダイヤモンドを実際に見ていくうちに、苦手だったのはダイヤそのものではなく、いわゆるラウンドブリリアントカットの光り方だったと気づかれることがあります。
ラウンドブリリアントカットは、石の中に入った光を細かなファセットから強く返すよう設計されたカットです。その明るく細かな煌めきが好きな方もいれば、もう少し静かな光に惹かれる方もいます。
たとえばローズカットダイヤモンドは、平らな底面と、三角形を中心とした広いファセットを持つカットです。その歴史は16世紀まで遡り、現代のラウンドブリリアントカットが確立されるよりも、はるか前から存在していました。
電気のない時代、ジュエリーを照らしたのは蝋燭の光でした。ローズカットの広い面は、その揺れる光を受けて、細かな光が連続するというより、穏やかに光を返します。
アンティークダイヤもまた、現代のように計算された比率に揃えるのではなく、職人が一石ずつ目で見て、手と感覚で形づくったものです。現代のラウンドブリリアントカットの基礎となる理論が発表されたのは1919年。そこからすでに100年以上を経た今、こうした古い時代のダイヤは、本来の意味でもアンティークと呼べる存在になりました。
ローズカットとアンティークダイヤにあるのは、現代的な明るさや均一な煌めきとは違う光です。蝋燭に照らされた古い時代へ想像を連れていき、お伽話のお姫様の指には、こんな光の指輪があったのかもしれないと思わせます。
イリーヴァ・ジュエリーの商品説明にある「優しい輝き方」という言葉に惹かれて、ローズカットの指輪を見に来てくださった方は、これまでに何人もいらっしゃいました。強く輝くことだけではないダイヤモンドの表情を知ることが、自分の好きなものを見つける入口になったのだと思います。
色がある。内包物が見える。透明ではない。古い時代のカットが残っている。同じ形でも、少し細長かったり、ふっくらしていたりする。
一般的な評価基準では揃っていないように見える特徴も、誰かにとっては、その石を選ぶ理由になります。
「ダイヤが好きか、嫌いか」と決める前に、どんな光なら心地よく感じるのかを見てみる。そこから、自分だけのダイヤとの出会いが始まることがあります。
カットの名前を知らなくても、うまく説明できなくても構いません。実際の光を一緒に見ながら、「これは好き」「これは少し違う」と確かめていくことも、指輪選びの大切な始まりです。
「自分だけのダイヤ」に出会う
ファンシーカットと呼ばれるダイヤには、オーバル、ペアシェイプ、マーキス、クッションなど、ラウンド以外のさまざまな形があります。同じ名前のカットでも、細長いもの、丸みのあるもの、左右の輪郭にわずかな違いがあるものがあり、一石ずつ異なる個性を持つダイヤに出会えます。
ナチュラルダイヤには、色や内包物、透明な部分と不透明な部分が一つの石の中にあります。白と黒の内包物が混ざるものは、ソルト&ペッパーダイヤとも呼ばれます。
4Cは、希望する品質を比較し、条件を絞ってダイヤモンドを探すための共通の基準です。一方、自分の感覚や個性と響き合う色、内包物、模様は、評価表の数字だけでは探せません。
一般的な評価では欠点とされる内包物や色の揺らぎが、その人にとっては心を惹かれる個性になることがあります。同じ表情を持つダイヤやサファイアを、あとからもう一度注文することはできません。評価表の数字や予算の大きさだけでは出会えない、一石との一期一会です。
アンティークダイヤは、古い時代にカットされ、すでにこの世界に存在している石です。新たに採掘された石ではなく、長い時間を経た石を現代のジュエリーへ受け継ぐという意味で、リユース、リサイクルの要素を持つ選択です。
その古いダイヤを、現代のイリーヴァ・ジュエリーのデザインの中で生かし直す。単に再利用するだけではなく、新しい作品として次の時間へつなぐ、アップサイクルの要素もあります。
またイリーヴァ・ジュエリーでは、産地や流通の道筋をたどることのできる石、トレーサブルなダイヤモンドやサファイアも扱っています。
トレーサブルであることだけで、エシカル、あるいはサステイナブルであることのすべてが証明されるわけではありません。けれど、どこから来て、どのような道を通ってきたのかが分からなければ、それを判断することさえできません。
石の道筋を開示することは、採掘、加工、流通に関わる人たちが、自分たちの仕事を外から確かめられる状態にすることでもあります。自らの仕事に責任を持つ人たちだからこそ、その道筋を胸を張って開示できます。トレーサビリティは、責任ある仕事を説明し、確かめるための出発点です。
分かっている産出国や鉱山などの背景は、それぞれの指輪の商品説明に記しています。
サファイアもまた、色から選ぶ楽しさを教えてくれます。サファイアとルビーは、どちらもコランダムという同じ鉱物です。赤いコランダムはルビー、それ以外の色はサファイアと呼ばれ、同じ鉱物の仲間の中に虹のような色の広がりがあります。
深い赤のルビー、深い青や空のような淡いブルーのサファイア、海を思わせるティール、ピンク、オレンジ、黄色、紫、グリーン。ひとつの石の中に複数の色が現れるものや、光によって色が変わるものもあります。透明感のあるものも、内包物が見えるものもあり、その違いが一石ずつの表情になります。
けれど、石との出会いだけで指輪が完成するわけではありません。どのような線で支え、どんな質感の金属と合わせ、指の上にどう置くのか。石の個性を受け止めるデザインがあって、初めて一つのジュエリーになります。
どの特徴を優先すればよいか分からないときも、好きだと感じたものと、少し違うと感じたものを教えてください。その小さな手がかりから、石とデザインの両方を見ながら一緒に考えていけます。
石が寄り添い、形が生まれるイリーヴァ・ジュエリーのデザイン
石を留めるジュエリーでは、石の形や表情が必ずデザインの起点になります。輪郭、厚み、色、透明感、内包物、光の返し方を見ながら、どの向きで、どのような線や構造で支えるのかを考えます。
イリーヴァ・ジュエリーでは、そこに水、小枝、新芽などのデザインや、地金で表現する線やかたち、その表面の質感を重ね、その石だけに合わせた一つの作品へ仕立てます。
たとえば「水のリング」では、金属の線が水の流れのように石のまわりを通り、石を支えながら指へとつながります。オーバルのソルト&ペッパーダイヤも、氷を思わせるペアシェイプのダイヤも、同じ水の中でそれぞれ違う景色になります。
「小枝のリング」では、まっすぐ均一な腕ではなく、枝のように伸びる自然な曲線が石へ向かいます。マーキスダイヤの尖った形は葉のようにも見え、色や時代の異なる二つのダイヤが並ぶと、それぞれの光を残したまま枝先で出会います。
二つの石が並ぶ Toi et Moi は、フランス語で「あなたと私」。二つの石に二人を重ねる発想は古く、15世紀の愛の指輪にも二石を並べた例があり、Toi et Moi/クロスオーバーのスタイルは19世紀末にも親しまれていました。
一つの指輪の中で、二つの石がそれぞれ一人を表す。婚約指輪にこれほど自然な考え方は、なかなかないかもしれません。
同じ石を揃える必要もありません。色も、形も、大きさも異なる二つが、どちらかに合わせるのではなく、それぞれの個性を持ったまま寄り添います。
イリーヴァ・ジュエリーは、この歴史ある Toi et Moi の考え方を受けて、独自の Nous — 私たち3人のリングをつくりました。Nous は、フランス語で「私たち」。三つ目は、誰だろう。人かもしれない。動物かもしれない。言葉にしにくい、何かかもしれない。その石を見て、誰を、何を思い浮かべるか。そこから先は、身に着ける人がつくる「私たち」です。
三つの石を均等に並べるのではなく、異なる大きさや色、表情を一つの構成としてまとめます。それぞれに役割があり、どれか一つだけでは生まれないバランスがあります。Nous という名前は三石のデザインだけに使っています。三つだからこそ表せる「私たち」があるからです。
Toi et Moi を受けて生まれた、もう一つのイリーヴァ・ジュエリーのオリジナルが Always Together(いつでも一緒のリング)です。一つのリングに二つの石を並べるのではなく、それぞれに石を持つ二本のリングが組み合わさり、別々に動きながらも一つになります。
二人は同じになるのではなく、それぞれのままで一緒にいる。離れて動くことができても、組み合わせればいつも一緒にある。その構造そのものが、名前の意味になっています。
左右非対称の配置や、石を横向きに留める形、植物の新芽が石を支えるような造形、そして複数の石が関係をつくるリング。婚約指輪のデザインは、一石をリングの中央に高く掲げることだけではありません。
石が違えば、それを受け止める線も変わります。デザインが変われば、同じ石でも光の見え方や、指の上での存在の仕方が変わります。石とデザインのどちらか一方ではなく、その関係からイリーヴァ・ジュエリーの指輪は生まれます。
作品のどこに惹かれたのかを、最初から説明できる必要はありません。いくつかの指輪を一緒に見ていくうちに、好きなのは石の光なのか、金属の線なのか、質感なのか、それらが重なった全体の雰囲気なのかが、少しずつ見えてきます。
一瞬のためではなく、これからの人生に
婚約指輪は、選んだ日のためだけではなく、これから先の人生で身に着けていくジュエリーです。
心を惹かれる石であることはもちろん、それを支えるデザイン、指輪の高さや留め方、腕の太さ、指あたり、金属の質感まで、日々の中で付き合っていける作品かどうかが大切になります。その中の一つとして、石の傷つきにくさも考えておきたいことです。
宝石の傷つきにくさは、モース硬度という尺度で表されます。最も硬いダイヤモンドは10、サファイアはその次の9。どちらも表面に傷がつきにくいため、イリーヴァ・ジュエリーでは長く日常的に身に着ける婚約指輪に、主にダイヤモンドとサファイアをおすすめしています。
ただし、「硬い」は「何をしても壊れない」という意味ではありません。ダイヤモンドもサファイアも、強い衝撃を受ければ欠けることがあります。尖った形の石なら、その先端をデザインがどう守っているかも大切です。
普段の服装や手の使い方も、長く身に着けるための選択に関わります。特別な日の印象だけではなく、いつもの自分の手にある姿を想像してみてください。
今の好みだけでなく、どんな毎日を送り、どのように身に着け、その指輪とどんなふうに歳を重ね、いつか誰へ受け継いでいきたいのか。まだ答えがなくても、お話ししながら考えていくことができます。作り手だからこそお答えできる、構造や素材、お手入れについての質問も遠慮なくお聞かせください。
一点ものの婚約指輪から見つける
「人と被らないものが欲しい」「世界に一つの指輪が欲しい」と考えたとき、最初にオーダーメイドを思い浮かべる方は少なくありません。
けれど、どんな指輪を作りたいのか、なぜオーダーメイドでなければならないのかを一緒にお話ししていくと、本当に求めていたのは、まだ誰も持っていない自分たちだけの一本だったと分かることがあります。
イリーヴァ・ジュエリーの指輪は、すべて一点ものです。
そして多くの方にとっては、まだ形のない指輪を頭の中で思い描くよりも、目の前にある指輪を実際に見て、着けて選ぶ方が、ずっと分かりやすく、決めやすいものです。
表参道の店舗には、実際に手に取り、指に着けてご覧いただける一点ものの指輪が数多くあります。
石の色や光だけでなく、その石を支えるデザイン、地金で表現した線やかたち、その表面の質感、全体の大きさとバランスまで、一つの作品として確かめることができます。指に着ければ、写真だけでは分からない高さや馴染み方、自分の手にあるときの表情も分かります。
イリーヴァ・ジュエリーでは、オーダーメイドを考えて来店された方も含め、実際にご覧いただける一点ものの指輪から選ぶ方が圧倒的に多くいらっしゃいます。
何を選べばよいか分からない方にとっても、目の前にある指輪を一緒に見ながら、好きなところや気になるところを確かめられることは、大きな助けになります。選び方を知ってから来ていただく必要はありません。
指輪を見て、「これだった」と分かる。その出会い方もまた、自分たちらしい婚約指輪の選び方です。
イリーヴァ・ジュエリーのデザインを、もう少し自分へ近づけたいとき
一点ものの指輪を見たうえで、「このデザインが好きだけれど、石はもう少し違う色がいい」「この指輪の雰囲気に、別のイリーヴァ・ジュエリーの作品にある要素を加えたい」と思うこともあります。
そのときには、二つの方法があります。
日本語のオンラインサービス Bespoke ileava jewelry with Misfit では、小枝、水、ベイリーなど、決まったイリーヴァ・ジュエリーのリングデザインと、1,000石以上あるダイヤモンドとサファイアのライブラリーから、好きな組み合わせを選べます。イリーヴァ・ジュエリーのデザインは好きだけれど、別の色や形の石を合わせたいときに利用できるサービスです。
この石のライブラリーは、世界中のジュエリー作家が共有しているものです。現在、アジア地域でこのライブラリーをお客様に公開し、石を選べるようにしているのは、イリーヴァ・ジュエリーだけです。ライブラリーにある石の多くは、産地や流通の道筋をたどることのできるトレーサブルなダイヤモンドとサファイアです。
オンラインのライブラリーにある石は、購入前に実物をご覧いただくことができません。写真だけでは分かりにくい部分や、もう少し詳しく見たいところがあれば、「この角度から見たい」「この内包物をもっと近くで見たい」など、知りたいことをお知らせください。追加の写真や動画をリクエストできます。
デザインそのものをもう少し踏み込んで相談したい場合は、表参道の店舗でオーダーメイドを承っています。遠方の方とは、メール、写真や動画を通して一緒に進めることもできます。
店舗でのオーダーメイドも、何もないところからどんなものでも作るというものではありません。イリーヴァ・ジュエリーの作風を気に入っていただいていることを前提に、Mayaがお好みや思いを伺いながらスケッチを描き、WAX原型で立体の形を確かめ、イリーヴァ・ジュエリーの造形や質感の中で一緒にデザインをつくり上げていきます。石探しも、大切なデザインプロセスの一部です。
相談を始めるときに、完成した答えを用意していただく必要はありません。「この指輪の雰囲気が好き」「もう少しこんな色なら」といった言葉から、作り手と一緒に形を見つけていくための方法です。
「婚約指輪らしさ」ではなく、ふたりらしさへ
人と被らないことは、選ぶ目的ではなく、自分たちらしく選んだ結果なのかもしれません。
どんな光に心が動くのか。どんな色を毎日見ていたいのか。自然な曲線、左右非対称のバランス、二つの石が寄り添う姿。どこに自分たちとのつながりを感じるかは、一組ずつ違います。
婚約指輪らしい形に、自分たちを合わせる必要はありません。
石とデザインが一つになった作品を実際に見ながら、自分たちにとって意味のある一本を見つける。
その答えを、自分たちだけで決めてから相談する必要もありません。イリーヴァ・ジュエリーのデザインや雰囲気を好きだと感じてくださるなら、まだ分からないところから、一緒に考えましょう。
一生身に着けるためのことも、いつか大切な人へ託すためのことも、どんなことでも尋ねてください。作り手としてお話ししながら、ふたりらしい婚約指輪を一緒に見つけていきます。